四谷新生教会

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2026
15Mar

四谷快談 No.259 デイジー

  • 四谷快談

 新宿区を通して幼稚園に草花がたくさん送られた。ビオラとデイジー。可憐な花が庭のあちこちに、そしていくつかは園児のご家庭に植えられた。私も、デイジーの一株をいただいた。
 デイジーには小さな思い出があるのだ。
 昨年2月末に父が天に帰った。施設で暮らしている母が、もう高齢の甥に管理をお願いするのも限界だということで、我が家は解体された。市からの補助金をいただいて解体したので、本来は土地ごと売却する予定だったが、補助金の条件で2年は売ることが出来ない。今は土地だけが残っている状態。
 その家屋敷も元々は町営住宅。私が生まれる前年に入居が始まった。6畳と4畳半に台所とトイレだけの簡素な家屋だったようだ。周辺も町営住宅のためにつくられた場所で田んぼしかない。その玄関先、つまり台所の下にデイジーが植えられていたのだ。
 父は大工だったので、取付道路側に仕事場を増築しその一部に風呂場を据えた。私が小学校低学年の頃運転免許を取得し、仕事用に中古のバンを購入、玄関前に車庫を増設した。やがて車のために車庫を土間からコンクリートにしたた。デイジーもなくなってしまった。
 その可憐だった花が「デイジー」という種類だったことなど随分オトナになってから初めて知った。子どもの頃その花を特段に愛でていたわけでもない。ただいつもそこにあるものというだけだったが、コンクリートが敷かれるとちょっと残念に想ったことをうっすら憶えている。
 そのデイジーが半世紀を経てうちの庭に一株(一鉢)戻ってきたわけだ。だからといって、私の性格上それをおそらく特段に愛でるわけではないだろうけれど、こうやって思い出がよみがえることで、様々な記憶が一気に芽を吹くのだった。春だなぁ。
 今度機会があったらぜひ、その花が何故台所の下にあったのか、その由来を母に尋ねてみよう。

「途上で」滝澤 貢牧師

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